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+++ WEBプロデュースの方法01--分散エントランス--

WEBプロデュース

01-1 PDSで行うWEBプロデュース ::: ここで取り上げるオンラインショップは単品もしくは単ジャンルサイトです。

昨年の3月の時点で単品オンラインショップ100サイトを目指そうと言いました。これまでの1年余りで少しづつ増えている状況です。

単品・単ジャンルを扱うオンラインショップにはメリット、デメリットがあります。
デメリットは、
★品揃えが少ない(というよりは無い)ためにビジターが少ない。
★同じ商品をたくさん販売しなければ利益が出ない。
★仮に一旦利益が出るようになったとしても、それが商品寿命(ライフサイクル)の短い商品であった場合、リピート購入によってのみ得られるライフタイムバリューにつながらない。
★マーケットに競合商品があって価格競争になれば、利益を確保する方法がなくなる。

単品・単ジャンルを扱うオンラインショップのメリットは、
☆ビジターから見た時に、何をやっている(売っている)オンラインショップかということが判りやすく、自分のニーズに合うかどうか判断しやすい。オンラインショップで提供されている情報は特化されており、ナビゲーションなど情報構造による混乱が少ない。
☆オンラインショップサイドはビジターの訪問目的やニーズが予想出来る。
☆商品または商品ジャンル(カテゴリ)の絞り込みによって、ショップサイドの商品知識を高めることが出来、ビジターや顧客に充分深い情報を提供することが出来る。
☆個々の顧客について知るチャンスが多く、コミュニケーションが成立しやすいことから、ユーザサポートなどCS(顧客満足度)の品質を確保しやすい。
商材によっては、「個客」に対する「個品」を作れる可能性もあります。
「個客」:::「個品」関係は理想的な顧客創造の形です。これからのライフスタイル財は、最終的には「個客」:::「個品」関係を目指すものになります。


「最小」にチャンスあり
 要はどちらが顧客に近づけるかという問題である。顧客に最接近し、ついには顧客と一体化すれば、顧客ニーズを外すことはない。
 それには小さいほうがいいのだ。最小の顧客戦略、それは「1対1」である。顧客は「個客」、つまり個人だ。どのような大きなマーケットに見えても、もはやマス・マーケットは存在しない。マーケットは「個人の集合体」になったのであり、「たった1人の個客」の要望を知らずしてビジネスは成り立たない。逆に「たった1人」の代表個客の要望を深く知れば、ほかの全顧客の要望を知ることが出来る時代なのである。
 個人のニーズを深く知る。本当に知る。個客起点に立たなければ何も見えない、そういう時代なのである。だから勝つのは「最小単位の市場戦略」である。
(2003年7月22日 「谷口正和/今週の気づき」から引用)


☆大量アイテムを揃えるオンラインショップに較べて、仕入れ、サイト メンテナンス、ユーザサポートなどのオペレーションがシンプルで運営コストが低い。

などなどですが、我々がセルフ プロデュースを行うならば、上述の単品・単ジャンルのオンラインショップがよいと思います。

そこで、単品・単ジャンルを扱うオンラインショップのデメリットを最小化しなければなりません。

当然、単品・単ジャンルのオンラインショップでは商品そのもののファクターが大きくなりますから、商材選択という基本を間違える訳にはいきません。単品・単ジャンルのオンラインショップが販売して成功する可能性の高い商材は、マーケットで競合関係に入らないオンリーワン商品です。

オンリーワン商品をブランディングによって育てて行くことになります。
また、オンリーワンであるだけでなく、商品の賞味期限(商品寿命/ライフサイクル)が長く飽きのきにくいもの、もしくは、商品情報に新規性を追加出来るように商品ブランドを組み立てていくことが大切です。


流通の最新ノウハウには学ぶものがたくさんあります。

先を行っているウォールマートには品揃えに関して、Fine Lineと呼ばれる最小ユニットがありますが、そのFine Lineは3アイテムです。物理店舗のフェース(商品陳列)作りは、流通店舗の最大ノウハウが表現されるポイントですが、サブカテゴリとともに大変重要視されているのがFine Lineです。

具体的に言えば、
コンピュータ>ノート型>モバイル重視
という風にニーズを絞り込んできた時に展示すべき商品アイテムは3アイテムに絞られるということです。

この3アイテムというのは、行動心理学の中でも特にプロスペクト理論、行動ファイナンス理論が人間の行動心理にある「期待値」をフィールドワークから導いた結果ですが、流通の現場でも有効な結果が出ているようです。

●商品の購入目的や購入後の使用シーンを考える際に、最終ユニットに1アイテムの品揃えしかない場合、顧客は自分の選択が後々納得出来るものであるかどうかについて自信が持てず、最終的な購入に踏み切らない場合が多い。
●逆に、最終ユニットに5アイテム以上あると選択に迷いが生じて購入に踏み切らない場合が多い。
勿論、商品特性やジャンルによって多少の差異はあるものの、最適ユニット数は統計的に3アイテムになるということです。
まず、これを覚えておいてください。単ジャンルサイトの構築には役に立ちます。単ジャンルサイトは流通店舗で言うところの最小ユニットと同じだからです。3アイテムをどう選ぶかというところがマーケティングセンスになります。

単品オンラインショップでは、ビジターに上記のような選択の際の心理はありませんが、「自分の選択が後々納得出来るものであるかどうか」という点に購買行動が左右されるという点は同じです。コンテンツの組み立てに、そういった購買心理への配慮が出来ればそれはノウハウとなります。


01-2 営業戦略または営業手法

MI04以降では「全員が営業と売上げになんらかのコミットメントを持てるようにしたい。」と言ってきました。
その具体的な方法と考え方をまとめます。

01-2-1 「営業」を捉える/我々の営業について
まず、営業とは何かということですが、pdsmlのフッタに再三掲示してきましたが、下記が(2月4日に配信した【pdsml:00019】【経営:その他】)が核心を突いていると思います。

「営業」は、時代の中核を担うものになっています。
営業=ブランディング+プロモーション+ユーザーインターフェイス
これは、既に知識社会が進行し、これから暗黙知の時代へ向かおうという時に必然的に浮上してくるものです。まずは先端技術の塊である、商品というブラックボックスを、どう、魅せるのか。魅せるポイントを探し出すことがツボ中のツボです。アイデア2、開発2、営業6。これが、ビジネスです。
今後、ビジネスが踏み込むことになる広大なインナーフロンティアに向かえばもっと重要度を増し、営業の重みは8/10くらいになるでしょう。

これは、これからの商品性というのは商品価値に占める情報価値のウエイトが高くなっていく、という発言です。それは、ベッカムがPKでゴールを外したサッカーボールに高値が付くということだし、そういった傾向の商品性がより重視されるトレンドのことです。
「ベッカムがPKでゴールを外した」という固有の(他には無く、オンリーワンである)情報が含まれる物体としては何の変哲も無いサッカーボール。それは、サッカーボールという物理的な商品性によってではなく、その固有の情報によって買われていくのです。勿論、ベッカムのボールのような例は昔からたくさんありました。40年前のビートルズのポール・マッカートニーの枕から匿名女子高生のブルセラショップで売っているパンツまで情報価値が乗った商品です。
異なっているのは、現在を含め、今後はより広汎な商品ジャンルにそういった情報価値が望まれるということです。個人の嗜好によって選択されるファッション、インテリアなどのライフスタイル財だけでなく、その傾向は一般消費財にも波及していきます。そういうマーケットの特性を前提に、広く「営業」の重要性を指摘したのが上述の発言です。
コンピュータシステムについて考えてみましょう。コンピュータシステムの中でもエンタープライズ(企業向け大規模)システムの善し悪しを一般の人(システム購入に決裁権を持つ人)が理解することは大変難しい。
そもそも、どういうアルゴリズム、ロジックで動いているのか判らない。どうやって動いているのか定かではないシステムをさらに自社向けにカスタマイズする訳です。
安全か?充分な処理スピードが出るか?万一こけたらどうなる?まったく判らないはずです。導入に失敗すれば経営そのものがこけてしまうかもしれない高額なシステムが企業経営に貢献する「何」なのか?正確には判らないということです。
「先端技術の塊である、商品というブラックボックス」というのはまさにこれです。
SAP、オラクル、IBM、NEC、富士通...も独自のエンタープライズシステムを開発していますが、実はその実装機能に大きな差はありません。
デジタル技術の世界では、他にあって自分の商品にない優れた機能はすぐ見つけることが出来るし(インターフェイスと画面遷移だけで判ります)、後追いで実装することが可能だからです。ですから実装機能を羅列してみても差別化はできません。実装機能の羅列ではユーザにコアコンピタンス(独自の強み)を伝えることは出来ないのです。
結局、ユーザから見ればブラックボックス化している商品をどう魅力的に提示するのかという点にビジネスの成否がかかっていくことになります。
技術が高度化し且つ複雑化する過程でますます商品のブラックボックス化が進みます。先端技術に限定した現象ではありません。昨日の先端技術は、今日の一般化された技術になっていくからです。
★コンピュータシステム、ソフトウエア
★電化製品、情報家電、通信機器...
★車
★バイオテクノロジーが適用された食物(農作物、畜産物、魚介類)
★加工食品
★薬品
★遺伝子、糖鎖遺伝子操作を含む医療技術
★健康食品...
企業や一般の人々の生活周辺で、商品やサービスはいろいろなブラックボックスを含むようになり、そのブラックボックス化はどんどん進みます。先端技術は専門外の一般人には分からない...

ベッカムのボールもブルセラショップのパンツも、コレクターマーケットや熱烈なファン層という小さなマーケットでしか通用しない情報商品ですが、先端技術をエンジンとする商品のブラックボックス化は、ブランディングという「営業」を要求し、より広汎な、より一般的な商品にも情報価値の高い商品性を要求するようになります。
百貨店の地下食品売場に並ぶトマトに「どこの誰それさんが作りました」と表示して情報価値を付加するのも、農作物のブラックボックス性に注目して、氏素性得体の知れないトマトから親しみや連帯性が持てるトマトへ作り替える「営業」です。ユーザ視点から、開くべきブラックボックス性を発見し、開く必要の無いブラックボックスはそのままにしておく。ユーザにとって、「甘いか酸っぱいか」、「ミネラル含有量はどうなっているか」、ではなく「どこの誰それさんが作りました」という情報によって提供される「何か」、が購入やリピート購入へとつながる情報価値を作り出したということです。
まとめれば、
「営業」とは、商品の情報的な側面をユーザにとって価値あるもの(魅力的なもの)に構築・再構築する業務である、と言うことです。今後、商品性への要求は情報価値に対して大きくなって行きます。そして、情報価値を商品から引き出したり、付加創造出来る力が「営業力」である、と言うこともできます。

01-2-2 「営業」の方法
具体的に「営業」の方法を考えていく上で前提としたいこと、基本としたいことがあります。

●ここでは、主軸とする「営業」フィールドは主にWorld Wide Webです。WWWをメインに具体的な「営業」を考えます。

●WWWでの営業先は大きく2者です。1者は「人(ビジター、ユーザ)」、もう1者は「検索エンジンロボット」というコンピュータプログラムです。

「人」に対する営業アプローチと「検索エンジンロボット」に対する営業アプローチは、当然、異なったものになります。
1-2-1で述べた「営業」は、主に「人」に対してのものです。
「検索エンジンロボット」に対する営業アプローチは、SEOを基本とするものでしょう。「検索エンジンロボット」に対する営業というのは若干違和感があるかもしれませんが、検索エンジンやリンクサイトを広告的なニュアンスで捉えるより、全体の組み立て(プロデュース)が理解しやすくなりますので営業先として捉えます。
SEOとは、検索エンジンとWEBサイトの間に、顧客との関係にも似た最良の接点を形成しようとする技術のことです。


 ★検索エンジンロボットに対しては ::: ロジカルなアルゴリズム
 ★人に対しては ::: コンピレーションのテイスト
                 で、対応します。


●まず、物が売れるとか売れないとかいう問題以前に、ネット上でプレゼンス(存在感)を大きくしていく必要があります。これは、PDS流のWEBプロデュースのキーファクターです。

★まず、プレゼンス(存在感)を問題にする理由は下記です。
端的に言えば、価格競争力をコアコンピタンスにしてネット上のピュアプレイを行う訳ではない、ということです。価格競争力がコアコンピタンスであれば、それは単純な情報であり、プレゼンス(存在感)というほどのものは不要です。価格ドットコムに並んで一番安値を叩き出せばそれだけでOKです。
ここではオンリーワンではあるけれど無名の(新しい)単品商品・単ジャンル商品を問題にしています。つまり、ディスカウンティングの魅力を訴求するのではない。そして、「どう魅せるのか。」がテーマです。当然、プレゼンスは、その魅せたい文脈に通じていなければなりません。
〈つづく〉

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